パーソナルカラーで見た目をチェンジするオトナのブリーチ&インナーカラーを体験してきた!
誰もが避けて通れぬ白髪の脅威。私も初めてその一本を見つけた時は、控えめに言って自分を見失うほどの衝撃を受けました。しかし、令和のアラフォー女性たちはそんな白髪に落ち込んでいる暇はないようです。「どうせ染めるなら自分らしさを表現したい!」と楽しみながら攻略している白髪世代が増えているのです。今回は、私もこのアバンギャルドな発想を見習い、ヘアスタイリストさんのアドバイスのもと「自分らしい」カラーに初挑戦してまいりました。
自分に似合う色ってどんな色?パーソナルカラーを制する者が美を制する
「ただ黒く、ただ茶色く」という昭和・平成の白髪染めの常識からは卒業だ。どこまで自分らしくヘアカラーを楽しめるかがアラフォーからのお洒落の鍵となる。
そう確信した今年の春。
きっかけは、同じ美容業界で働くアラフォー女性達のヘアスタイル。美容業界(の端くれ)で働く私は、幸いにもお洒落でハイセンスなアラフォー女子と顔を合わせる機会が頻繁にあります。とにかくみなさん非常にお洒落でハイセンス! それは洋服やメイクだけではなく、ヘアスタイルも然り。ミルクティーにインナーカラーを差し込むなど流行のカラーを施している方が多いのですが、若作りとは到底思えぬ「大人の気品」がプンプン漂っているのです。そこで今回、私も今まで経験したことのないような攻めるヘアカラーで大人の気品を表現してみよう! と思いついたのです。
今回お世話になったのは、COHAQ BEAUTY AND RESORTのトップスタイリスト 竹谷央之さん。ヘアスタイリスト歴は13年、思い通りのヘアスタイルに仕上げながらも髪質を良くしていく施術を行うことで有名な方。そして、パーソナルカラーを元にトレンドと合わせてヘアカラーを組み立てることができる神のような方なのです。
私の希望は、若い世代にも人気であらゆるファッションに合わせやすいミルクティー。そして、そこにインナーカラーとしてグリーンを入れるという2色使い。
ミルクティーにはベージュ(黄色強め)とアッシュ(グレー強め)がありますが、「鬼龍院さんにはベージュが似合います」という竹谷さんのアドバイスでミルクティーベージュ+グリーンに決定しました。
なぜベージュ? それはパーソナルカラーにあります。
竹谷さんの見立てでは、私のパーソナルカラーは「ウィンター」。肌や目、唇の色などで判断するもので、私は肌や目の色素が薄い「ブルーベース」タイプなんだとか。そんな私がアッシュにすると顔色が悪く見えてしまう、しかしベージュなら私の顔色に血色を差し込んでくれる、という判断です。
アラフォーのブリーチは完璧な土台作りで美しいツヤと発色、傷みもオフ!
「ミルクティーは赤みのある髪色に入りにくいので、赤みを取り除くためにブリーチをします。特にアジア人の毛髪は赤みが強いので、赤みをしっかり抜いてからミルクティーを入れていきます」と竹谷さん。
さらに、ブリーチをする時の注意次項も聞いてまいりました。
①パーマはブリーチ前に
ブリーチ後のパーマは、ダメージが半端ないためオススメできません。できればパーマは控えて、コテなどでウェーブ感を出す程度にしたほうが良さそうです。
②ヘアマニキュアは避ける
髪表面を覆うヘアマニキュアは、髪に長く残留するためリセットしにくく赤みを抜ききることができません。カラーを色ムラなく美しく仕上げるための肝は、ブリーチで均一に色を抜くこと。マニキュア残留部分だけ塗布時間を置いて様子を見るなどで対応するそうですが、ブリーチ前はマニキュアをやらないのがベスト。
③ブリーチのセルフはダメ、ゼッタイ
ブリーチは塗布量が均一でないと色ムラとなり、カラーの明るさにもムラが出てしまいます。どんなに器用でも自分でトライするのは避けましょう。
へナをしている場合は、ブリーチをしても赤みがキレイに抜けずオレンジ色になってしまいミルクティーの色がキレイに出ません。ですので、ヘナをしている髪でカラーを楽しむなら、ブリーチ後にハイライトをメッシュ状に入れてあげるのがオススメだそうです。
ちょっと取材しただけでもこれだけの情報量。これらのポイントを知らずに自宅でカラーを施すのはリスクがあるなと感じました。若い子なら色ムラがあっても髪や肌ツヤの良さとはじける笑顔でカバーできますが、若さでカバーできぬアラフォーともなれば、勝負は「気品」。ムラだらけでパサついていては気品もクソもございませんね。
今回のミルクティーのような明るめのカラーを施す場合、根本は抑え気味にし、根本3センチくらいから毛先までを均一の明るさで染めていくと良いそうです。根本から明るくすると、頭皮が透けて見えてしまうため、ヴィッグのようなビジュアルになってしまうのだとか。
アラフォーに相応しいミルクティーヘアの完成! 残っていたパーマはブリーチの影響でほぼ落ちましたが、コテでウェーブを出してもらって上品に仕上がりました。
インナーカラーのグリーンは、発色の良さNo.1と美容業界でも名高いプロユースヘアカラー「ティントバー」を使用。サイドセプション(額の剃り込み部分から耳まで)で幅4センチほどにカラーを施しましたが、これを「イヤリングカラー」といい、目立ちすぎずでもはっきり色を出したい場合にオススメ。予想以上にキレイに発色したグリーンに加え、ネーミングまでお洒落でテンション上がりますね!
発色の美しさをキープする秘訣はホームケアでの十分な栄養補給
美しさをキープするのはサロンワークだけでは到底無理。アラフォー女子たるもの、そのへんは抜かりがあってはなりません。ボディケアやスキンケアと同じく、ヘアケアもホームケアはとても大事。
カラーを入れた後は、時間が経つに連れて徐々に退色していきます。ミルクティーの場合は金色に変化していくそう。竹谷さんによると、美しい発色をキープするために使うべきはシルバーシャンプーや紫シャンプーとのこと。週に3〜4回使用するだけでキレイなミルクティーカラーを維持できるそうです。
私が購入したのはこちら。
実は私、あらゆる製品においてオーガニック派で、ヘアケア製品もオーガニックで揃えています。そこで「オーガニックや植物性のケア製品でおすすめありますか?」と聞くと「ヘアカラーで傷んだ髪にはあまりオススメできません」との答えが。その理由は、オーガニック製品は補修率が低いためケアしきれないと言うことです。そもそも髪には植物性の栄養素が入りにくいと言われているようで、動物性たんぱく質の方が定着率が高いそうです。
ところで、白髪は黒髪よりうねっていたり弱々しかったりしますよね。これをエイジング毛と言い、毛根を支える立毛筋という筋肉が衰えることで毛髪が歪んだりヘタったりするそうです(……どことなく人間と同じですな)。そんな白髪にも口から入る栄養素は大きく影響してきます。元気な立毛筋を維持するために、みなさんも食事やインナーケアを見直してトータルビューティを実現しましょう!
「若々しさ」と「大人の気品」、この二つを同時に兼ね備えるために、自分をどうプロデュースすれば良いのか?アラフォー女子、ましてや美容業界に身を置くものとして、この探求はもはや娯楽とも言える時代となったのですね。
そして、ようやくコロナウィルスの緊急事態宣言も解除となり、放置せざるを得なかった髪や体をメンテナンスしにサロンに繰り出す女性も増える事でしょう。そんな心機一転の機会だからこそ、スタイリストやエステティシャンのみなさんも新たな提案でお客様の美活をプロデュースしてみてはいかがでしょうか。
COHAQ BEAUTY AND RESORT オーナースタイリスト 竹谷央之さん
1986年6月生まれ。2006年ヘアスタイリストとしてデビュー。サロンワークの傍らカットコンテストに注力し、2011年の全国コンテスト、2012年の有名メーカー主催のコンテストと立て続けに優勝を飾る。2016年に独立し「美容室・美容院COHAQ」をオープン。その後、2019年にはドライヘッドスパ専門店「DRY HEAD SPA by COHAQ」をオープンする他、年間3つのコンテストの審査員としても活躍するマルチプレイヤー。
取材・文/鬼龍院雪乃
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