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ボディコンテスト優勝者で有名コスメアドバイザー、またの姿は・・・セラピスト。岡崎厚志さんインタビュー

岡崎厚志
大阪で完全予約制、貸し切りできるアーユルヴェーダ専門サロン「シャナーズ ヒーリングスタジオ」を構える男性セラピストの岡崎厚志さん男性のセラピスト、エステティシャンが認知されてきたのはここ数年だが、岡崎さんは20年前にはすでに自身のサロンを持ち、美容業界で辣腕を奮っている方だ。

岡崎厚志さん

岡崎厚志(オカザキアツシ)
シャナーズヒーリングスタジオ オーナーセラピスト
woman’s world international、ファスティングマイスター、アーユルヴェーダスクールカイラリ認定アーユルヴェーダセラピストなど多数の美容資格を保有。外資系化粧品メーカーなどのアドバイザーや化粧品開発なども手掛け、スキンセラピストや美肌食、経営コンサル分野でも活躍。ボディメイキング界でも有名であり、ベストボディジャパンでは数々の賞を受賞した経歴を持つ。京都府出身。

クラランスでエステを知り、技術を学びました

—大阪で人気のサロンを経営されている岡崎さんですが、お名前で検索したりサロンのプロフィールを見ると、非常に多彩なご経歴が出てきますね。 
岡崎 そうでしょ?でも全部ボクなんです(笑)。経歴のスタートは、「フジテレビ ナイスガイコンテスト イン ジャパン」というコンテストです。受からないと思っていたのと親に勘当されていましたので、母親の旧姓「川竹」で出場しました。ところが特別賞をいただきまして、それがきっかけで、名古屋の中京テレビの深夜番組などに出させていただくようになりました。でも体力的にも精神的にも、難しい世界だなぁと数年で思い知らされまして、引退。ノイローゼみたいになってしまって。ボクには向いてないですね。あの世界って、お笑いでも俳優でも自分が一番だと思わないといけない。自分の商品価値を自分でアピールできる人でないと生き残れない。ボクには絶対無理でした。
体を壊して引退したので、東洋医学中心に健康管理に務めるようになりました。7年ほど前に両膝を壊してリハビリをしている時にボディメイクの大会に出る目標を勧められたのです。今の体格できれいに筋肉を作るバランス系部門でコンテストに出ました。ボディメイクの話をするとびっくりする方多いんですよね。
(岡崎さんは、ベストボディモデルジャパン日本大会2017・2018優勝、2019ベストボディ関西大会優勝のタイトルホルダー)

—そうですね、けっこうびっくりします(笑)。美容との出会いもボディコンテストがきっかけだったのでしょうか。

岡崎 いいえ、タレント活動の時です。30数年前にクラランスが日本に入ってきた時、ある番組内でクラランスの商品を紹介して視聴者プレゼントにしたことがあったんですよ。マーク・パンサーさんがクラランスの化粧品のモデルをしてましたね。その時にエステの仕事について知りました。

—クラランスはエステティックサロンやスパを持つ企業ですものね。クラランスとの出会いが美容業との出会いって、すごいです。珍しいのでは。

岡崎 そう!クラランスで化粧品のコンセプトや美容法をトータルで教えていただきました。
芸能界を引退した後、エステの仕事はしてないんです。技術は持っていたけれど、人に触れるのは嫌だったんですね。だから、体調を悪くして引退したのもあって、東洋医学の先生について、漢方の勉強をしていました。
あるとき、先生の中医学講演会に同行した際、参加していたお婆ちゃんから差し入れをいただいたんです。お婆ちゃんとは何度かお会いしているのですが、その時に「ある事」があり、涙を流されたんです。泣かないで!と肩を「よしよし」と言う感じでもませていただくと、「あー気持ちがいい」とおっしゃったんです!

そのときの、
「え!これが?これで喜んでくれるの?あ!触ってもいいんだ」
っていう、電気が通るような感動をボクは忘れないですね。それがあったから、エステをやろうと決めました。数年間、企業に所属して美容の勉強やWOMAN’S WORLD INTERNATIONALのディプロマも取得したり、勉強を重ねました。

岡崎厚志さん

—その後、ご自身のサロンをついにオープンするわけですね。

岡崎 いろんなことがありました笑。オープンしたばかりの頃は、アーユルヴェーダをメインにして、朝の8時から夜の12時まで、ひとりで6人を施術するスケジュールでお客様を迎えていました。
20年経った今は、完全予約、貸し切りでお客様をお迎えしています。
施術の基本形は同じでも、その時のお客様の疲れぐあいによって、4時間かかる時もあれば、2時間半で済む時もある。長くやればいい、というわけでもないので、お客様に合わせてケアしています。
大体、みなさん3時間はかかりますけどネ。大体全身でお一人4時間なので、1日で2組が最大です。

セラピストの健康管理は、お客様に対してベストが尽くせるよう調整すること

岡崎 今のスタイルだと予約取れない時があるよね、って言われることもあるけど、単に忙しいのが理由ではないんです。
ボクは朝起きたら、1時間で全部の部屋を掃除します。そのあと1時間半かけて自分のメンテナンスをします。膝を壊しているので、それをやってからでないと、トレーニングも仕事もできません。こんな風に、ボクには自分の健康状態を維持するためのルーティンがあります。
セラピストにおける健康管理とうのは、自分のベストが出せるように、ライフスタイルを大切にする必要があると思っています。ボクの場合、朝のルーティンができてない日はベストなパフォーマンスができず、仕事がずれこむこともあって、それを「忙しいんだな」と取る人もいる。でもね、7時からお客さんが来る時は、4時に起きてルーティンをこなしています。7時や8時の予約は人気があるので、ボクもお客さんの時間に合わせるようにしています。
—ご自身のパフォーマンスを最大限に発揮して、お客様に合わせた施術を行うために、一日2組というスタイルになったんですね。

岡崎 はい、そうです。

岡崎厚志

—サロンを経営していく中で、特に意識していることはありますか?

岡崎 お客様主義ですね。個人でやっているので、お客様一人ひとりが大事。お客様と長くお付き合いさせていただいても、お互いに「なあなあ」にならない様に適度な距離感と敬語は必然だと徹底しています。

—岡崎さんのサロンは、どんなお客様が多いですか?

岡崎 広告を一切していないのもあって、今は20年選手のお客さんが多いですね。もちろん、ここ1年のお客さんもチラホラいらっしゃいます。ご紹介などで男性のお客様も増えてきたかな。サラリーマンや社長さんとか、現役で働いている方が多いです。新規のお客さんがたくさんいらしても、残る人はやはり相性が良いひと。
今も20年ぐらい来てるお客さんに「ボクが20代だったらお客さんに会わなかったね」って話をよくします。ボクも経験や技術を身につけて、お客さんは子育てが終わって、出会う時期に出会ってそのまま続いている、という縁があるんですよね。
「前世でも岡崎クンと知り合いだったのかな」という話を年配のお客さんがすることもあって。前世からトリートメントしてたのかな、逆だったかな?とか、発展して面白いです。年齢関係なく心を許して通じる瞬間があるので、いい経験をさせてもらえてるな、良いお客さんに巡り会えたな、と思っています。

化粧品は気品のあるものが好き

—化粧品について、岡崎さんはプロデュースなどさまざまな経験をお持ちかと思いますが、最近の美容アイテムについて、どう思われますか?

岡崎 ボクが取り扱っている化粧品は、20年変わっていません。いろいろな技術や成分が出てきていますが、ずっと変わらずあるもの、いいものは古典的なものなのでは?と感じています。
たとえば、ナノ化技術を応用した化粧品が出たのは25年ぐらい前かと思いますが、当時はナノ化をすることがなかなかできなくて、100mlで3万円ぐらいしていました。でも、今は1万円ぐらいになった。ナノ化技術は有用成分を配合するうえで、とても良いということが充分周知され、技術も需要と共に伸びることができた。だから価格を下げることができて、多くの方が使えるようになりました。

クラランスでも残っているのは、ずっとはじめからあるボディケアですよね。ボディオイルやマルチマス。クラランスのボディケアは30年ぐらい前にプロデュースをしているので、よく知っているのですが、いいものはやっぱり残るんだとここでも思いますね。

—逆に、ここはこうしてよ!というご意見はありますか?

岡崎 高すぎると手が出ないし、容量をケチる人がでてくるので、アイクリームで容量が少なくて2万、3万するのは良くないですね。昔は、アイクリームは30グラム入っていたけど、今は15グラムでしょう?たっぷり使えるのがなくなったんですよね。
アイクリームなどスポットで使うものは、たっぷり使ってこそ効果があるんです。絶対に30グラムは必要!たっぷり使えるようにしないとダメって、ボクもメーカーにお願いしてるんですよ。

岡崎厚志

—確かに!アイクリームだけでなく、容量が少なくなって価格が大幅アップされることが増えましたね。

岡崎 食べる・寝る・出す、これが基本だと思います。スキンケアもそうだと思う。つけすぎ、つけなさすぎもダメ。今の自分に必要なモノ・合ったものを使って、よくなったら省くのが大事。ボクは、お客様には最初3品すすめて、よくなったら2品にしてもらっています。シミだったらシミだけにフォーカスすること。シミもシワもと相反することをするから、両方とも改善されない。シミだけを3ヶ月ケアする、よくなったらシワをケアするというふうに、欲張らずに一点集中がいいと思います。

ボディケアに関しては欲張らないとダメだと思ったんですよ。塗って、ハリが出て、リンパが流れてツヤが出て、引き締める、っていうことが全部一緒でないとダメ。<実はそれを叶えるために開発していて、現在メーカーと試行錯誤しています。

—欲張れるボディケアが発売されたらぜひレビューしてください!これから美容業界を目指す男性に対して、何かアドバイスをお願いします。

岡崎 男の子の場合は掃除にこだわってほしいです。ボクも雇ったことがあるけれど、必ず掃除からやってもらいました。嫌がる子が多かったので「トイレが汚いレストランってどう思う?」って、そういうレストランにつれて行ったことがあります。嫌なこと、だめなことを知って、そこから「良いこと」は何かを考えてほしい。

あとボクは、お客様を呼び捨てにするセラピストも好きじゃありません。
基本的な躾は親にしてもらったけど、あとの人間形成はお客様にしてもらったと思っています。たとえば、若い時はなんでも「ありがとう!」で済むけど、歳を重ねるときちんとしたお礼をしなくてはならないこととかね。お返しをするのが大人のマナーなんですね。お礼をしたかどうかが、あとになって違う。そういったこともお客様から学べます。

接客業だけれど、もっと距離が近いのがこの仕事。だからこそ、ストイックにも取り組んで欲しいですね。それに、コスメは結構面白いので勉強を始めるとハマる人は多いかもしれません。
興味ある人、迷っている人は、ぜひ飛び込んでみてほしいです!
<岡崎さんのサロン>
シャナーズヒーリングスタジオ
Shahnaz Healing Studio


取材・文 菅井美知子 写真:ノジマユニ
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