セルフエステは危険!遂に日本エステティック振興協議会が注意を呼びかけ
最近登場した新しいエステの形態「セルフエステ」「セルフ脱毛」。どちらも訓練を積んだエステティシャンが施術を行うものではなく、鏡の前で自分でプロ用の機械を使用するというもの。プロの手がかからないということで、サブスク化や価格引き下げがしやすく、大手ファッション専門店に出店するなど種類や店舗数も増えてきている。
セルフエステの多くは痩身機器がメイン。人気機種が使い放題、など謳って集客をしているのが現状だ。
なぜセルフエステが危険なのか
人気痩身機種「ハイパーナイフ」を製造・販売する株式会社ワムは、公式サイトで「ハイパーナイフの類似品・模倣品が出回っている」と注意喚起したうえで、SNSを通じて「ハイパーナイフのセルフ施術は禁止している。正規品でのセルフ店舗はありえない」と重ねてアナウンスしている。
ハイパーナイフは業務用機器のため、導入講習を受け、ディプロマの発行があってはじめてサロンでの取り扱いが可能になる。素人が個人で使うなどはもってのほか、ディプロマを取得していないエステティシャンは施術することもできないというわけだ。
OEMだと言い張ったり、中身を入れ替えて販売されていたりと、信じられない事態が引き起こされているように、インナーケアや化粧品でも同じことが起きているというから驚きだ。
一般社団法人日本エステティック協会、一般社団法人日本エステティック業協会、一般社団法人日本エステティック工業会で構成される一般社団法人日本エステティック振興協議会は、「業界健全化に向け鋭意努力しているが、この指針を覆す行為が再発致したことは誠に遺憾」と述べており、「セルフエステ/脱毛は、基礎知識を知り得ない多くの消費者の自己責任であることを押し付けて行なうため、容認できる事案ではない」と、はっきり声明を出している。
2009年にセルフ脱毛でトラブル
「2009年に事故が発生したエステティックサロンは、前述のような姿勢(事故はお客様の自己責任)で関係行政機関に説明したようだ。その結果、エステティックサロンは、施設や機器を貸与したことによる管理責任を問われ注意勧告処分を受けた。短時間での簡単な説明で、家庭用とは違うプロ用の機器を一般消費者が使いこなせるわけがなく、注意喚起を行なう目的は、こういった行為を是正する目的であることを認識してもらいたい」
一般社団法人日本エステティック振興協議会は、2009年に起きたトラブルについても言及しており、エステティック業の健全化をめざす意思を全面的に表に出している。
プロ用機器をセルフ用に修正して起用するサロンは一箇所
大々的な宣伝とともにセンセーショナルな登場をした「ボディアーキ」は、プロラボソリューションが製造・販売する「フォースカッター」を起用。セルフ施術向けに一部内容を作り変えているため、安心な設計になっていると説明している。しかし、鏡に向かって1人で施術する姿は筋トレに近い感覚らしく、「痩せるためだけでなく、エステティシャンに癒やしてもらっていた」と気付く人も多いとか。なかなかセルフでの痩身は一筋縄ではいかないようだ。
セルフエステ・セルフ脱毛は時代のトレンドではなく、間違った行為として認識し、お客様への安全な施術、効果を充分に発揮できる施術を心がけてほしい。