メニューはカットとカラーだけ。シャンプーは無人、ブローはセルフ、券売機で精算のChoki Petaが好調な理由
機器での時前精算、セルフブロー、シャンプーはオート・・・まるでクルマの洗車場のように思えるが、これはヘアサロンのシステム。美容師が施術する部分はミニマム化された「最低限の身だしなみを整えるサロン」Choki Peta(チョキペタ)が売上を伸ばしている。
Choki Peta(チョキペタ)がいう「身だしなみを整える」とは、プリン状になり、見た目が悪くなった白髪を染め直す、カットから時間がたち伸びて崩れてきた髪型を揃えることを指す。
チョキペタは、2011年7月に第一号店として堀切菖蒲園店をオープンし、首都圏と一部関西に出店を進め、2020年2月21日(金)鵜の木駅の「ChokiPeta エトモ鵜の木店」で60店舗となった。運営会社は、株式会社アルテ サロン ホールディングスの傘下である株式会社C&P。
サービスは白髪染めとカット。それも、伸びた分のレタッチや整えのみ
「早い!安い!親切!丁寧!」をコンセプトすることに成功。利用者の多くは40代後半~60代の女性ということもあり、スーパーの店内に出店。思いつきで利用できるよう、予約は不要。精算機で時前精算、コストカットをはかるためのセルフブローや無人洗髪機器を導入している。
おもてなしやリラクゼーションとは大きく振り切った経営方針だが、売上は事業開始当初の約100倍と成長中!なぜこんなに売上が?と不思議に感じてしまうが、秘密は休眠美容師の採用にある。
休眠美容師を採用し、宝の持ち腐れを防ぐ
休眠美容師とは、国家資格である美容師免許を保持しながらも社会生活で活かせていない人材のことを言う。2018年度末時点での従業美容師数は約53万人(平成30年度衛生行政報告例の概況)、美容師免許の累計登録者数は(厚生労働省による定期的な発表がないものの)130万人は超えると予想される(厚生労働省 理容師・美容師制度の概要等について及び(公財)理容師美容師試験研修センター)。つまり、美容師免許を取得しながら美容業に従事していないケースは全国に75万人以上いる。休眠美容師とは、このような境遇にいる人のこと。チョキペタでは休眠美容師を積極採用しており、全体の約48%のスタッフが元・休眠美容師だという。
もちろん、お客様満足度の向上にも気を抜かない。レタッチや整えるだけカットだとしても、技術の良し悪しは出てくる。店舗のユニークなシステムの理解も含めて、休眠から復帰した美容師の教育として、ビデオ学習を導入。150種以上の動画教材で、技術や接客に関する様々なノウハウをタイムリーに全店に共有し、常時サービスの改善に取り組んでいる。
新しいサービスがどんどん生まれる理美容業界。エステではセルフエステなるものが登場しているが、お客様には安全な本物を選んでいただきたい。エステやアロマなどの異業種もこれはチェックしておいたほうがよさそうだ。