精神的・肉体的・社会的な困難を抱えている方のためのソシオエステティック専門サロン「珠ちゃんサロン」オープン

NPO法人ソシオの杜が、佐賀市鍋島（佐賀大学病院医学部附属病院そば）に「ソシオエステティック専門サロン　珠ちゃんサロン」をオープン。

ソシオエステティックとは、人道的・福祉的観点から精神的・肉体的・社会的な困難を抱えている人に対し、医療や福祉の知識に基づいて行う総合的なエステティックのこと。エステティックの施術によって人を癒し、励まし、QOL向上など、その人が本来の自分を取り戻すために支援することを目的としています。

施術は、医療機関や社会福祉施設の専門家チームと協力しながら医療や福祉に関する知識に基いてケアを行うため、CODES-JAPONなどがエステティシャンに特別な教育を行っています。

特定非営利活動法人ソシオの杜は、江頭裕美氏が代表を務める団体。佐賀県神埼郡を拠点に、病院やデイケア施設で活動をしています。

今回設立した「珠ちゃんサロン」では、単に施術を行うだけでなく、医療・介護・福祉関係者など様々なステークホルダーの情報共有の場所も目指しているようです。サロンが拠点となり、関わるプロ同士の情報交換や仕組みづくりが行えるようになれば、ソシオエステティシャンの活動が増えることにも繋がります。

新しい「地域社会の拠点」として、今後の活動に注目が集まっています。

ソシオエステティックサロンでできること

高齢者

・痛みのある身体をマッサージ
・足のむくみのケア

抗がん治療中の方
・肌や爪のお手入れ
・メイクの仕方・眉の描き方　など
※アピアランスケア

障害をお持ちの方
・こわばった身体をアロマトリートメント

介護をなされている方
・会話とマッサージ（手の温もり）で、自分だけの癒しの時間を提供

ソシオの杜は、これまでに利用者宅や病室などでの施術を数多く行ってきた実績があります。料金やメニューは、それらが土台になって作り出されたものであり、利用者の心と身体に寄り添う目的を果たすことができる設定になっています。

「珠ちゃんサロン」という名称も、生まれつき重度の障害を持つ珠美さんという利用者の名前から。自宅で介護をしていた母親が亡くなり、施設へ入所した珠美さんの表情が良くないことをお見舞いに訪れた父親が気づき、ソシオエステティックの利用を始めたそうです。約一年半の間、週一回の訪問を続けましたが、珠美さんは亡くなってしまいます。しかし、ソシオエステティシャンの活動に感銘を受けた珠美さんの父親から寄付を受け、「珠ちゃん基金」を設立、サロンオープンという運びにったようです。

コロナ禍で、思うように訪問やケアができなくなったソシオエステティシャンですが、施術提供の拠点となるサロンができたことで、幅広く利用者を受け入れられるようになりました。

年齢を重ねたからこそ必要なケア、ベッドに横になっていても安心してコミュニケーションが取れるエステティシャン、これからもっと活動の場が広がるかもしれません。

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