和製アンジェリカ「大和当帰葉」どうやって使う?和ハーブがブームの兆し!
お客様の間でも温活に励む人が増えてきた今日このごろ。オーガニック&クリーンコスメブームの今年は、あちこちから生薬の話題が聞こえてきています。
生薬とは、天然に存在する薬効を持つ産物から有効成分を精製することなく体質の改善を目的として用いる薬の総称です。薬効を持つ植物のことですね。日本でも生薬は採取できます。でも、国内で育ったものは中国で漢方薬などの原料として言われているものとは少し呼び方が異なってくるようです。
たとえば、高麗人参(朝鮮人参)は御種人参(オタネニンジン)に。当帰(トウキ)は大和当帰というように。価値も変わってしまうということですが、私達日本人は国産のものがいいですよね。
生薬にならない部分がハーブとして食材に!まさにサステナブル!
まだ暑さの残るころ、日本橋のハリオカフェで行われた国産ハーブの勉強会に参加させていただきました。
講師は、漢方養生指導士・漢方上級スタイリストの伊澤雅子さんと松浦優子さんのお二人。
登場したのは、奈良県高取町で栽培されている大和当帰(ヤマトトウキ)まるごと1本。
当帰は、古くから薬園で栽培されてきたセリ科の多年草本です。根は生薬として活用されており、婦人病や血の巡りなどに効果があるとされているそうです。配合されている漢方薬で有名なものは、当帰芍薬散(しゃくやくさん)など。
大和当帰とは、奈良県で栽培されているもののことで、日本で栽培されている当帰は大和当帰が元ということですから、まさにルーツなわけですね。
生薬とされている根は、まさに漢方薬局で見る苦そうなルックスと香りでした!
しかし、この日の主役は根ではなく、非薬とされている葉の部分!
葉は、ハーブとして食用に使われ始めているそうです。和ハーブということですね。
中国でも生薬の需要が増えている昨今、価格も高騰しているということですから、生薬を国産で賄うというのは懸命かもしれません。しかも、根だけでなく葉もハーブとして食べられれば一石二鳥!
青々とした当帰葉を持参してくださったのは、栽培を行っているポニーの里ファームさん。
大切に大和当帰を育てているポニーの里ファームの保科さん
根は生薬として有名ですが、葉にも抗酸化作用の強いビタミンEが多く含まれていることが専門機関の調査でわかっており、注目を集めているということ。しかも、葉にも血の巡りを良くしたり、その影響で体温が上昇する効果もあるようです。
(県産業振興総合センターの研究では、葉の摂取後に手の皮膚温度の上昇と血流量の増加が確認されたそうです)
保科さん「西洋当帰はアンジェリカです。こちらもハーブとして葉が使われていますよね。これを知ると、みなさんもいろいろとアレンジや使用用途が見えてくると思います」
そういえば、アンジェリカにも体を温めて発汗する作用や、冷えを和らげる効果があります。名前の通り「天使の根」と呼ばれる根の部分は、更年期の気力や体力の衰えに使うメディカルハーブとして有名です。
ハーブティーは温度で味と香りの印象が変わる不思議な美味しさ
この日は大和当帰葉を使った食材の試食もさせていただけました!まずはハーブティーから。
やまと健やか茶 780円(税込)
保科さん「和ハーブと洋ハーブをミックスして作りました。ハーブのみで作っているので、茶葉のようなえぐみがありません。入れっぱなしでもOK」
お味は3種。ホットとハリオのフィルターインボトルでの水出しを常温でご用意いただきました。びっくりしたのは、ホットと常温で印象が違うこと!(エディターKの独断と偏見でのレポです)
・トウキ ✕ ミント
HOT → トウキの薬草らしい香り!でもくどいことはなく飲みやすい
常温→ ミントの風味強し!飲みやすく軽い。常飲したい!
・ハトムギ ✕ レモングラス
HOT → はと麦茶のような香ばしい味わい
常温 → 新しい味わい!と集まった女性陣が喝采
・カモミール ✕ ヨモギ
HOT → ヨモギの香りが感じられて、リラックス度UP!
常温 → カモミールが強く出る。男性も好きそう
「全部に当帰葉が入っているというわけじゃないのがいいですね。ハーブのいいところ、ブレンドの楽しさや香り、味わいなどが実感できるし、当帰葉をハーブとして認識しやすい」
「温度で香りや味わいが変わるところがハーブならでは!」
食品やアロマなど、この日参加したのはプロばかり。それだけに、飛び交う会話も専門的!
ハーブティーとナツメを味わいながら、松浦さんの「漢方ミニ講座」も行われました。
続いて、大和当帰葉を練り込んだソーセージで作ったホットドックと古墳のゼリーが登場。
ソーセージは、とってもジューシィ。食べるとふんわり香りが広がるところがハーブソーセージならでは。
古墳ゼリーは、奈良県ならではのアイディアで「可愛い!」と映え写真を撮る人続出。上はミルク、下は当帰葉茶で作ったゼリー。優しいお味でした。
ゼリーには、この大和当帰葉シロップをかけていただきました。マイルドな甘さで調味料としても使えそうなシロップでした。
保科「不調を感じる前に、ハーブで体を整えることが日本人にも浸透するといいですね。がんばり屋の日本人こそ、本当はもっと食生活にハーブを取り入れてほしいです」
と、ポニーの里ファームの保科さんから、お土産に生の大和当帰葉などいただきました。
さて、これをどうするか・・・
生の当帰葉でいつもの料理をもっと美味しく!簡単トッピング
せっかくの生葉。インナービューティのスペシャリスト、浅利真妃さんにアレンジしていただくことにしました!
浅利「日本で育っている完全なる和製ハーブですね!フレッシュなまま口に入れると、ハリのある葉の食感としっかりした香り、苦味のあるお味を感じます。紫蘇などに近い香味野菜のカテゴリーに入るでしょうか。使い方もいろいろ思いつきそう!と感じました。ただ、やはり薬草!香りの持続性が強い。効果の持続性も期待できそうです」
香味和風パスタ
浅利「博多和風な味付けにした和風パスタに、あえて主張のあるミョウガと一緒に刻んで、香りと味のエッセンスとして加えてみました。当帰葉のエグみを感じないように酸味のあるケーパーも加えてみたら、これが大正解!美味しく栄養価も高く仕上がりました」
白身魚のムニエル 刻み当帰葉
浅利「レモン風味白身魚のムニエル。刻んだ当帰葉は、レモン汁を加えたバターでサッっと炒 めることで歯ざわりも優しく変化します。ムニエルにした魚の上に炒めた当帰葉をのせ、最後 にレモンペッパーで仕上げています。味のアクセントにトッピングしましたが、レモンとの相性 が抜群でした!洋風の味付けにも合いますね!今回はムニエルにしましたが、よくムニエル の添え物として使われるパセリなどの代替えとしてもとてもおもしろいと思いました。シンプル なお料理ほど当帰葉の個性が良いアクセントになりますね!まだまだ研究のしがいがある食材だと再確認しました。血行促進効果などが期待できるとのことなので、これからの季節にはいいですね」
なるほど。
香味野菜や薬味と同じように使用するのであれば簡単だし、バリエーションもたくさん生まれそう!
香塩 540円(税込)
お塩とミックスした「香塩」や、粉末にした「乾燥粉末」など、食卓で使いやすいアレンジ食品も出ているのでオススメです!
浅利「天ぷらやサラダにしても美味しそうですね。また、お料理の香りづけや風味のアクセントとしても使い勝手が良さそうです!無農薬で栽培されているということなので、安心なのもいいですね」
世界中からJ Beautyが注目されている昨今。みなさんも、これを機会に、ぜひ植物のパワーをインナーケアに取り入れてみてください。
取材:esthete編集部
【NOT SPONSORED】この記事はesthete編集部オリジナル記事です。メーカー提供の情報・アイテムを含みます。